歴史
会社沿革
「家内工業」からのはじまり
昭和32(1957)年、重森制帽所の創業。
創業者重森博三は、姫路の帽子店を退職して、郷里の広島に戻り夫婦で帽子店を開業しました。ノミで生地を切り、ミシンで帽子を製作し、製品をメグロやホンダのオートバイで配送しました。
高度成長の黎明期、産業基盤の拡充による工場増加に対応して、シゲモリは「作業帽子」の生産から始まりました。
「セル生産システム」の導入
現代表の重森伸は昭和60(1985)年、大阪ミシンショーへ見学に行きました。
アイシン精機ブースでは、自動車シートの生産実演を見学し、数十工程を数名が作業する様子に衝撃を覚えました。
ミシンは座るものという既成概念を打ち破る「立作業ミシン」が工程順のU字形に並び、1枚ずつ製品が刻々と完成し、朝投入した材料が即出荷する方法が、家内工業の打開策であると確信し、準備期間を経て昭和62(1987)年導入しました。
それはトヨタソーイングシステム(TSS)というセル生産方式です。
社員が交代で三河安城駅のアイシン精機本社にて理論と実践を学び、生産ラインは出汐ビル2階全フロアを利用し、照明と電源を付けたダクトを天井から下げ、1ライン十数台のミシンをU字型に編成し、順次拡張しました。
お客様にご案内すると、先ずはエプロンの大量発注、アサヒスーパードライ(1986年発売)のヒットに伴う販売促進商品でした。
次に各地の電力会社の制服更新による作業帽子の大量発注があり、特に東京電力帽子は、納期1か月で3万枚(日産1,500枚)を納入し、品質と納期の信用を確立して、会社は安定期を迎えました。
生産国の拡張
・平成13(2001)年、中国大連にて海外生産開始
・平成25(2013)年、ベトナム生産開始
シゲモリ株式会社は、日本で研究開発を進め、安定した製品供給に対処するために日本と東南アジアで生産を行っています。
「研究開発」と「知的財産権」
平成元(1989)年、厳密な衛生管理が要求される事業所向けの「衛生帽子」を発売しました。
食品・医薬・印刷等の製造や、外食・物流等サービスに携わる人の頭には「衛生帽子」があり、衛生帽子には、毛髪等の異物落下を防止し、人が健康で快適に仕事をする衛生性と快適性が要求されます。そのためには、製品を着用して内部の温度・湿度・快適性の測定と解析を行う研究が必要です。
広島県、ひろしま感性イノベーション推進協議会、広島県立技術研究所のご支援により、人間工学的・感性工学的手法で商品開発をするようになりました。
商品 開発の途上で、積極的に知的財産権の取得を進め、現在は特許・意匠・商標・実用新案の合計が50件(うち審査中7件)になっています。
平成30(2018)年、日本弁理士会主催「第5回知的財産活用表彰」の特別賞を受賞しました。
衛生帽子フードについて積極的に特許権と意匠権を組み合わせ、模倣品を排除し、商品名については商標権を取得しブランド化するなど複合的な知的財産戦略を実践している事を評価されました。
令和3(2021)年、技術情報協会より2021年11月30日発刊の専門書「ヒトの感性に寄り添った製品開発とその計測、評価技術」に、代表の重森伸が執筆提供いたしました。
・第9章 衣料品、衛生製品分野における開発事例と使用感、快適さの評価事例
・第3節 衛生帽子の開発における人間工学・感性工学の活用
私たちシゲモリ株式会社は、より衛生的で快適な製品の開発と販売を目指しています。